【雑感】独立を決意した理由や現在の監査法人の環境などについて

雑感会計士,公認会計士,独立,監査,監査法人

今回は独立を決意した経緯についてもう少し書いてみようと思います。
また、備忘録として現在の監査法人の環境(2021年)についても残しておきます。

目次

独立を決意した理由

監査法人に入った段階からいずれ独立したいなという思いはありました。
ですが、正直なところスタッフ時代から独立を意識した立ち回りをしていたかといわれると全然そんなことはありませんでした。
本当であれば独立後にどのように生きていくかを考えたうえで、監査法人や場合によっては転職してそのためのスキルを身に着けれるのが良いと思います。
そこまでアクティブに動けていなかったんですよね。

仕事はまじめに自分なりに考えてやっていましたし、クライアントからもそれなりには信頼されていたと思っています。
監査もめちゃくちゃ面白いかと言われると、そうでもないですが、「監査が嫌で嫌でやめる」という感じではまったたくありません。

ただ、下記にも関連しますが、最近の監査法人の状況は結構大変なので、ここでこの働き方をするくらいだったら、自分の事務所の立ち上げのために身を削った方がいいのではという思いが日に日に大きくなっていたので、このタイミングで決断をした次第です。

少し前に独立した先輩の状況を聞いたり、自分が担当しているクライアントの状況を見ていても独立した会計士の需要はかなりありそうで、なんとか死なずにはやっていけるかなという思いもありました。

現在の監査法人の環境について

こちらの投稿でも書きましたが、現在の監査法人は完全に人手不足です。
毎年の作業に加えて、当局からの指摘事項への対応やデジタル監査等もありかなり労働時間は長いと思います。
それに加えて人材育成的な面でも結構難しい局面な印象です(コロナもありますし)。

当局からの指摘事項への対応

毎年のように金融庁や公認会計士協会のレビューがありますし、そういったところで出た指摘事項に関しては各チームへの点検の指令が下ります。
もっともな話の場合もあるので致し方なしな部分はありますが、やることはどんどん増えている感じです。

当然ですよね。指摘を受けた結果新しいテンプレートやチェックリストが増えるけれど、削減されるものはあまりないですから。
チームの努力で効率化していくにも限界があります。

デジタル監査

どの法人でもデジタル監査に取り組みます!みたいな記事をたまに日経で見かけますが、なかなか簡単にうまくいく話ではないなと思います。

あずさ、デジタル人材6割増 監査を効率化
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO76047110U1A920C2DTA000
(こういうのとか)

10年後はわかりませんが、今は逆にデジタル監査への対応などに四苦八苦している状態かと思います。
やっぱり企業ごとに会計システムも違えば、データ分析に活用しやすい形式でのデータ出力ができるものとそうでないものがあったりしてなかなか難しいなという感想です。

AIが監査してくれるなんてことはまずないでしょうし、仮にデジタル監査がうまくいったとしても、大手企業などのシステム面のインフラが整った会社でしかできないのではないでしょうか。

最近でいうとこのデジタル監査への対応にかなりの時間を取られたなという印象です。
監査となると例えば監査計画の策定に関する調書についても、これまでのものから作り変える必要があったり、有用な分析ができない(データの形式の問題、監査工数の問題・・・)のにそちらを使う意味があるのか、という点はかなり疑問でした。

人材育成

コロナの影響でリモートワークも行われるようになり、監査法人でも当然のようにリモートワークを行っています。
大体がクライアントの方針に合わせてなので、クライアントがリモートワークを推進しているような会社の場合リモートワークがメインになっているところもあるかと思います。

これ、監査法人に限った話ではなく人材育成の観点からはどうなんでしょうね。
個人的にはかなり厳しい未来が待っているように思います。
AIにできないといったように、監査って機械的な作業じゃない部分もあったりして、上司や先輩がクライアントと会話、議論しているところを周りで聞いたりする経験も必要だと思います。
また、自分が新人だったころを思い出しても、やっぱり対面だから指導してもらえる部分も多いと思うんですよね。
メールの送り方はリモートワークでも関係ないですが、クライアントとの話し方(ヒアリングの仕方、その他のコミュニケーション)もそうですし、作業をしていても近くにいればおかしな動きをしていれば周りは気づいてアドバイスしたりできますしね。

最近はコロナとは関係なく、成長している人とそうでない人の差が激しいと思いますし、その格差がより大きくなるんじゃないかと思います。
いつの時代もやる気があって主体的な人は勝手に伸びていくので、そういう人は心配ないですが、普通の層の育成が難しそうですね。

パワハラ等は当然よくないこととしても、最近は若手に非常にやさしい環境にあるので、本人がどう行動するかで大きな差がつくと思います。
(やる気のない人は本当にやる気ないですからね。)

これからはそういう環境で育ったメンバーがシニアとして現場を仕切っていくとどうなっていくのかは外から見守っていきたいですね。

結果今の状況は

自分の身の回りではマネージャー層がどんどん辞めていっている印象です。
非管理職については残業規制等もあり、最終的には管理職が頑張って何とかしているという状態かと思います。

やることは増えているのに下に頼ることもできないとなると詰んでますよね笑
もちろんスタッフ層もやることが増えているので、各チームでいろいろとやらされているので、無制限にするとそれはそれで問題になりますが。

自分の場合もこれだけ働くなら、別の可能性があるかもしれないと思ってしまいました。

これからは卒業生となるので、外から見守っていくことしかできませんが、大手法人であれば人が辞めてもなんとかやっていくんでしょうね(中にいる人はしばらくつらい状況が続くでしょうけど)。

あまりまとまりがない投稿になってしまいましたが、今回はとりあえずこの辺で。

また独立準備について書いていきます!